公式至上主義

若かりし頃の私は、原理主義が如く原作や公式の設定や絵柄を絶対視していました。…が現在は、『脳内や仲間内で楽しんでいる分には自由』という辺りに落ち着きました。あるゲーム会社が月に一回会報誌を出して、ゲームショップに置いていたので、よく貰っていました。会報誌の内容は、会社の新作ゲームや読者コーナーがメインで、届いたイラストや文章に社員がコメントを付けてくれているという物でした。その会社の作品は、シリーズ毎に専属のイラストレーターが居なかったり、設定がある割に作品毎で設定を変えたり、設定を変えて生じた若干の矛盾は、フワッとスルーしている社風で、公式が二次創作感を出している珍しい会社でした。その為か、投稿されたイラストは勿論、社員の絵や漫画にも寛容で、好きなキャラに好みの服を着せたりしていても、好意的に受け取ってくれていました。しかし若かりし頃の私は、「設定・世界観が違ってるじゃないか!」とか「社員でも無いのに勝手な事を!」等々色々と理由を付けて、憤りを感じたりしておりました。ある月の会報誌で、私の好きなキャラに公式の設定や解釈と異なる服装を着せているのを見つけ、心穏やかざる気分になりました。他のキャラならまだしも自分の好きなキャラになんたる仕打ちだ!と思った訳です。丸々一日憤って寝る直前もイライラする程度には受け入れがたかったので、もう一度見て粗探ししてやろうと思ってしまいました。よく見てみると特別上手い絵という訳ではありませんでしたが、小物や服装、表情に気を使って描かれている事が分かりました。服装や設定はともかく、表情は良い…。というか自分の解釈と符合すると思いましたが、やはり許す事は出来ない…許すものか…。と思いましたが、月が替わるまでは新しい会報誌を読む事が出来ない為、この号で凌ぐしかない…。そのページをなるべく見ない様に読みますが、時折油断して目に入ってしまう…。表情は解釈一致というか、むしろ好きな表情。小物や服装にも気を使って描いている…。頭の中で許せる部分と許せない部分がグルグルしていましたが、ふと思いました。『自分の美味いと思う物を食べて貰って反応を見たくないか?現実の世界に来たとしたら元の服は目立つから、カムフラージュに、こちらの服を着てもらう方が良いよね?ていうか本人も趣味に合う服があったら着たくならない?』…と。そう思うとまぁ…うん、良いか…いいね!好きな人には自分の好きな物を好きでいて欲しいもんね…となって許容範囲は曖昧ながら広がりました。
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